水垢と理科の学習とのつながり
更新日:2025年05月12日 ご家庭向け
水垢って何?
皆さんは中学校のとき、石灰水というものを学んだことがありますか?
中学校の理科の定番で、実験で発生した気体が二酸化炭素であるかどうかを調べるための薬品として使われるのが石灰水です。
石灰水に二酸化炭素を通すと透明だった石灰水が白く濁るんですね。それで、「あ、発生した気体は二酸化炭素だったんだ!」とわかるわけです。
以前、中学校の理科の先生だったので実験の準備をするために石灰水を用意していたのですが、放っておくとビーカーが真っ白になっちゃうんですね。皆さんも真っ白になったビーカーを見たことがないですか?この原因がカルシウムです。水(垢)にはカルシウムが含まれています。「え?普段から水に含まれるカルシウム(金属)を飲んでるの?」と驚かれる人がいるかもしれませんが、そうです、金属飲んでます。普段から皆さんも鉄分取っているので何ら不思議じゃないですよね。血液(赤血球)は鉄分でできていますから、鉄分とらなきゃ死んじゃいます。ちなみに赤血球の寿命は約4か月で、おしっこが黄色い原因は寿命を迎えた赤血球が壊されたときにおしっこが黄色く着色されるためです。朝おしっこの色が濃いのは、寝ている間に接種する水分量が少ないことと、その間にせっせと腎臓さんが頑張って働いて血液を循環させつつ身体の不要物を取り除いてぼうこうにためておいて濃度が高くなっているからです。なので起きてからたくさん水を飲むと色はどんどん薄くなります。
話を元に戻します。水垢の原因の一つがカルシウムでした。特に蛇口まわりや注ぎ口周りが白くなり、固体が付着し、なかなかとれませんが、このカルシウムは酸性の液体に良く溶けます。なので、白くなったビーカーも塩酸にちょっと触れさせるだけで、一瞬で透明になります。かなり感動!!
皆さんも身近にある酸性の液体(クエン酸を溶かした水やお酢)を使って水垢を取ってみてください。感動すること間違いなし!
ちょっと面倒だなぁと思ったときは、ぜひおそうじ革命、さいたま浦和大戸店、店長永谷(ながや)を頼ってください♪(≧▽≦)
さらに発展的な内容。ここからは前の文章を楽しく読めた人のみが読んでみてください。
先ほどの文では水垢の原因の一つはカルシウムとお伝えしました。『ところでカルシウムはどこからやって来ているの?』と思いませんか?海の水から?いえいえ、違います。
水が蒸発すると水蒸気という気体になりますが、この気体中に当然固体である金属は含まれていません。
お砂糖を溶かした水を煮詰めたら、あーら全部蒸発してなくなっちゃった。なーんてことはなく、煮詰る(水分を蒸発させる)と残った砂糖(固体)は残るのです。
つまり、海の水が蒸発してから降ってくる雨の中にはカルシウム(固体)は含まれていないんです。
じゃあ水の中のカルシウムはどこから来るのでしょう?
それは土の中、主に岩石や石が溶けて水の中に含まれるのです。理科で学んで覚えている優秀な方がいたら嬉しいですが、岩石の種類の中には石灰岩というものがあります。有名なのは鍾乳洞ですね。山口県の秋吉台が日本で一番有名な鍾乳洞がある場所ですが、何も山口県だけの話ではなく、日本全国あちらこちらに石灰岩が地中にあります。石灰岩は生物の死骸からできており、主に甲殻類のようなカルシウム骨格を持つプランクトンが堆積して押し固められてできます。これらの一部が水に溶けて川に流れ、そして家庭に届き、その水が乾き(水分だけが蒸発し)、カルシウム成分が水道の注ぎ口や浴槽に付着して水垢となるのです。
ちなみに水垢のもう一つの原因であるシリカは放散虫というプランクトンの死骸が固まっってできた岩石(チャート)が溶けたもので、これも水垢となります。シリカって何?と思った人もいるかもしれませんが、シリカは水晶の成分で、この結晶を大きくするとクリスタルと呼ばれます。少し身近に感じてくれる人もいるかもしれません。また、湿気取り(乾燥剤)にも使われます。シリカゲルのシリカですね。活性炭と同じようにたくさんの穴が空いているので活性炭は空気を吸い込むため消臭効果、シリカゲルは湿気吸い込むため乾燥剤としての用途に使われているのです。また、このシリカは半導体にはなくてはならない存在でもあります。興味があったら調べてみてください。
話しが長くなってしまいましたが、水垢と中学校理科の知識を含めてお伝えしました。