公開日:2026/04/18

更新日:2026/04/08

40代で警備職を辞め、転職をする人が増えています。
いったいなぜなのでしょうか?

今回の記事では、40代警備員が「辞めたい」と感じる本当の理由と、それを引き起こす業界の構造を解説するとともに、転職で人生を変えた人たちの話や、独立・副業などのさまざまな選択肢についてもお話していきます。

40代警備員が「辞めたい」と感じるのは業界の構造的な問題

この記事をご覧の方の中にも、「警備職を辞めたい」と考えている40代の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そう考えているのは、あなただけではありません。
「辞めたい」と感じてしまうのは、個人の弱さではなく、警備業界が抱える構造そのものが原因です。

「このまま続けていていいのだろうか」
「でも今さら転職なんてできるだろうか」そんな気持ちが頭をぐるぐる回っていませんか? まずは、その「辞めたい」という感覚が、どこから来ているのかを整理してみましょう。

警備員の平均年収は全業種より約100万円低い

厚生労働省の令和6年度賃金構造基本統計調査によると、警備員の平均年収は52.9歳で354万円です。月額給与は約26万8千円、年間賞与は約31万8千円という水準です。
一方、現在の日本人全体の平均年収が約460万円と言われていることから考えると、警備職は一般的な職業よりも給与水準が低めだといえます。

職業 平均年収
警備員(全国平均) 約354〜376万円
全業種の平均 約460万円
差額 約100万円

40代が警備の仕事を辞めたくなる「5つの理由」

①体への負担が大きくなる
警備員の仕事は、長時間の立ち仕事や夜勤、不規則なシフトが多く、体力的な負担が大きいと感じやすい職種です。年齢を重ねるにつれて、この体力面・精神面のきつさが理由で「辞めたい」と感じる人が増えてきます。

②がんばっても給料が上がらない
夜勤や長時間勤務があっても手取りが増えにくかったり、昇給の機会が少なかったりすると、「これだけ頑張っているのに、この給料か…」と感じ、モチベーションが続かなくなることが多いです。
特に、キャリアの中盤に差し掛かる30〜40代ほど、こうした気持ちが強くなる人が増えます。

③仕事に「先」が見えない
将来的なキャリアアップの道が見えにくいと感じる人もいます。
資格取得や役職昇進の制度はあるものの、実際にどのようなステップで収入や働き方が変わるのかが分かりづらいなどの理由から、長期的な働き方に不安を抱く人が多いです。

④仕事が単調でつらくなってくる
警備員の仕事は、通常時は「立つ」「歩く」「視る」といった単純な動きを繰り返しおこなうことが多いため、退屈でつまらないと感じる人が多いです。
単調な動作の繰り返しは、体感時間を長くさせることにも繋がります。

⑤人間関係や職場環境のストレス
職場によっては、上司や同僚との関係がうまくいかず、毎日の出勤がつらくなるケースもあります。少人数で長時間ともにいる警備の現場では、特に人間関係のトラブルが起きやすい傾向にあります。

「辞めたいのは自分だけじゃなかった」経験者の声

「警備職を辞めたい」と考えているのは、あなただけではありません。
不安になった時は、同じ気持ちの人たちと想いを共有してみましょう。
ここでは、実際に警備員として働いた人たちのリアルな声を紹介します。

「毎日同じことの繰り返しで、仕事への意欲が薄れていきました。長い拘束時間に見合わない給料にずっと不満を抱えていたけど、なかなか言い出せなかった」
—(ビル管理職 40代男性)

「警備員でスキルが付かないまま、気づいたら何年も経っていた。これからどうやって生きていけばいいのかと不安になっていた」
—(総合警備勤務 40代男性)

「先輩が求人誌を見ながら『どっかいい会社ないかな』とあっけらかんと話し出したのが印象的でした。自分だけが悩んでいるのかと思っていたけど、みんなそう感じていたんだと気づいた」
—(施設警備 40代)

「警備員をしながら何か他のことで稼げる能力が欲しいと思っていた。このままでは言いたいことも言えないまま働かされ続けるのではという恐れがありました」
—(施設警備員 40代)

これらの体験談はすべて、実際に警備業界で働いた人たちが抱いていたリアルな気持ちです。
「辞めたい」と思うこと自体は、決して特別なことでも、弱いことでもありません。それだけ多くの人が同じ壁にぶつかっている、ということです。

40代・警備員出身からの転職|カギは「経験を武器に変える」

40代でも、転職の選択肢は無数に存在します。また、警備で培ったスキルは、他の業界で意外なほど高く評価されることもあります。
「もう40代だから転職は無理かも」と思うのは早計。警備員として積み上げてきた経験は、きちんと他の仕事に活かすことができます。

警備員経験で身につく「万能スキル」

警備での経験 身に付く万能スキル
異常・危険への対処 危機管理能力、冷静な判断力
長時間の集中・監視 忍耐力、注意力
来場者・利用者への対応 接客力、コミュニケーション能力
シフト管理・後輩指導 チームマネジメント、教育スキル
夜勤・過酷な環境での勤務 タフさ、責任感

具体的な転職先の例

①製造業・工場勤務
工場勤務の社員であれば、40代まで未経験でも受け入れてくれる可能性が高いです。
体を動かす必要があることやルーティンワークが多いことはデメリットですが、警備員の経験があれば、そこまで苦痛には感じることはないでしょう。

②営業職
コミュニケーション能力や対人スキルを活かした転身先として人気があります。ビル管理などで顧客との交渉をしてきた経験のある人は、「お客様との信頼関係を築くスキル」を活かして、営業職に転身するのもおすすめです。

③介護・福祉職
警備とは、時にイレギュラーやアクシデントにも対応しなければなりません。
こうした不測の事態への対応力や、“気づき”のスキルを活用して、介護業界への転職に成功した元警備員も多くいます。介護や福祉は人手不足が続いている業界なので、採用のハードルが比較的低いのも特徴です。

④ドライバー職
ドライバーは、車の免許さえあれば、未経験者でも転職できる可能性がある仕事です。ネット通販などの需要が高まっていることから、ますますドライバー人材の不足が予想されています。

転職を成功させるためのポイント

40代が転職市場で勝負できるポイントは、「経験値」です。
従って、転職を成功させるには、面接などで「いかに即戦力になれるか」をアピールすることが大切です。

企業が40代に求めているのは、教えなくてもある程度仕事ができる人材です。
警備員としてのこれまでの経験は、それ自体が即戦力の証明になります。

ただし、それを相手に伝えられなければ意味がありません。

  • 「夜勤明けでも翌日の現場に入ったことが何度もあります。体力と精神力には自信があります」
  • 「新人が入ってくるたびに教育係を任されてきました。人を育てることには慣れています」

面接でこういったアピールができる人は、採用される可能性も高くなるでしょう。

転職活動を有利に進めるために、まずは転職活動を始める前に、自分がこれまでやってきたことを箇条書きにして可視化してみましょう。
「何をやってきたか」を整理することで、あなたの価値がより鮮明になります。

警備経験を活かした独立・副業の選択肢

①警備の個人事業主・フリーランス
警備業は、一定の条件を満たせば個人事業主として請け負うことも可能です。実績と人脈があれば、複数の現場から仕事を受けるスタイルで収入を安定させることができます。

②小規模警備会社の立ち上げ
警備業を営むには「警備業認定」が必要ですが、取得のハードルはそれほど高くはありません。現場経験が豊富な40代であれば、小規模なところから始めて、自分の会社を育てていく道もあります。

③副業からのスタート
いきなり独立するのが不安な場合は、まず副業から始めるのが賢いやり方です。警備の現場経験を持つ人材は常に需要があります。本業を続けながら副収入を得て、状況を見ながら徐々に独立する方向へシフトしていけば、リスクを可能な限り抑えられます。

④警備以外の分野への転身
警備で培った「危機管理」「施設管理」「安全への意識」は、マンション管理員、施設管理、防犯コンサルタントなどの仕事にも活用できます。これまでの経験を同業種だけでなく、横方向に展開することで、新しいフィールドを開拓することも可能です。

独立を"夢で終わらせない"ための3ステップ

Step 1:まず情報を集める
「警備業 独立」「警備業認定 手続き」などで検索するだけでも、想像より現実的な情報が出てきます。「できるかどうか」より先に「どうすればできるか」を調べることが大切です。

Step 2:小さく動いてみる
副業として単発の警備案件を受けてみる、フリーランスとして1件だけ試してみるなど、リスクを抑えた小さな一歩から始めましょう。大きな決断は、小さな経験を積んでからでも遅くありません。

Step 3:同じ志を持つ人とつながる
独立した元警備員のコミュニティや、同業種のSNSアカウントをフォローするだけで、リアルな情報が集まってきます。「誰かがやっていること」を知るだけで、視界は大きく広がります。

まとめ
40代は、経験という財産が最も積み上がった、行動するのに一番いいタイミングです。
この機会に一歩を踏み出してみましょう。もしかすると、あなたの人生が大きく変わる転機になるかもしれません。

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