山口市瑠璃光寺五重塔の掃除について考えてみた
更新日:2025年06月12日 その他コラム
こんにちは、おそうじ革命山口防府西店森本です。
先日、山口市の瑠璃光寺五重塔へ伺う機会がありました。
まだ工事中ですが、姿を拝めるようになってきました。
そこで、ふと瑠璃光寺五重塔の「そうじ」について考えてみました。
山口県山口市にある瑠璃光寺の五重塔。その優美な姿は「西の京」とも称される山口市の象徴とも言える存在で、訪れる人々の心を穏やかにしてくれます。
この国宝にも指定されている五重塔を見上げながら、ふと「この塔って、どうやって掃除されているんだろう?」という素朴な疑問が浮かびました。
私たちハウスクリーニングの仕事においても「掃除」は単なる清掃ではなく、「空間を整えること」や「モノを長く大切に使うこと」につながる大切な行為です。そこで今回は、歴史的建造物である五重塔の「掃除」について、文化財保護の視点と、現代の掃除との共通点を交えて考えてみたいと思います。
◆ 歴史ある建造物の掃除は、ただの清掃ではない
五重塔のような文化財の清掃には、特殊な知識と配慮が必要と思われます。
私たちが住宅の床や窓を磨くように、タワシでゴシゴシ…というわけにはいきません。木材の質、漆の塗装、屋根の瓦など、すべてが貴重な素材で構成されているため、扱いには細心の注意が求められるでしょう。
文化財の掃除では、主に以下のような配慮がなされているようです:
表面のホコリを柔らかい刷毛で落とす
落ち葉などは竹ぼうきでやさしく掃く
苔やカビは専用の処理剤を使って丁寧に除去
破損しやすい部分は、職人が手作業で作業
このように、「傷つけない」「壊さない」「元の状態を損なわない」ことが最優先。掃除とはいえ、まさに“修復の延長線上”にあると言えるでしょう。
◆ 掃除が劣化を防ぎ、未来へつなぐ
五重塔のような木造建築は、常に自然環境の影響を受け続けています。風雨、紫外線、湿気、虫害など、あらゆる要素が建物の寿命に関わってきます。
その中で、定期的な掃除は以下のような役割を果たしているようです:
ほこり・落ち葉の除去 → 湿気や腐食を防ぐ
コケ・カビの除去 → 素材の劣化を防止
定期点検を兼ねた清掃 → 破損箇所の早期発見
まさに掃除は「予防保全」の第一歩。私たちが日常の清掃で感じる“この汚れはカビになりそうだな”“水漏れしてるかも?”といった「気づき」も、歴史的建造物では命綱になることがあるようです。
◆ 現代技術と人の手の両立
最近では、文化財の点検や清掃にもテクノロジーが導入されています。
例えばドローンによる高所の調査や、バイオ洗浄という環境にやさしい清掃技術などです。
とはいえ、最終的に大切なのは「人の目」と「人の手」です。
細やかな気配り、素材の手触りの違い、匂い、湿り気…そういった五感での判断は、いくら技術が進歩しても置き換えがききません。
これは私たちの現場でも同じです。最新の洗剤や道具を使っていても、「この素材にはこの洗剤を使わない方がいいな」といった経験に基づく判断が、最終的な仕上がりを左右します。
◆ 掃除は“文化を守る行為”でもある
文化財の掃除は、単にきれいにすることが目的ではありません。
むしろそれは、「次の世代に、この建物をきちんと引き継ぐための手入れ」なのです。
私たちが普段掃除する家も同じで、「家を大切に使う」「気持ちよく過ごす」ために手を入れます。
その意味では、五重塔をそうじする職人も、私たちのようなハウスクリーナーも、根っこでは同じ目的を持っていると言えるのではないでしょうか?
◆ 掃除とは、敬意のあらわれ
山口市の瑠璃光寺五重塔は、600年という長い時を経てもなお、人々の心を惹きつけています。それは建築の美しさだけでなく、多くの人たちが手間と心をかけて手入れを続けてきたからです。
掃除とは、モノをキレイにするだけの行為ではなく、「大切にしたい」という気持ちのあらわれ。
今日、私たちが部屋を一つ拭くときにも、そんな思いを込めてみると、日常が少しだけ変わるかもしれません。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
ハウスクリーニングの仕事をする中で、こうした歴史ある建物から学ぶことはたくさんあります。
掃除とは、暮らしと文化をつなぐ大切な営み。これからも、一つひとつの作業に心を込めていきたいと思います。