エアコンの隠蔽配管
更新日:2025年05月12日
設置したエアコンの配管が目に付いて困っていないでしょうか。
配管がむき出しになっていると経年劣化で変色するため、見た目が悪くなります。
また、配管が目立って気になる場合もあるでしょう。
エアコンの隠蔽配管とは、文字通りエアコンの室内機と室外機を結ぶ配管などを隠して見えないようにする配管方法です。
エアコンの隠蔽配管では、配管などを壁の中に隠す、または埋め込みます。
エアコンの隠蔽配管には2つの方式があります。
1つは建設中にあらかじめ配管を壁に埋め込む方式で、もう1つは天井裏や壁の中に配管を通すスペースを用意しておき、エアコン設置時に配管を通す方式です。
一般的には、これらの配管を外壁面に出し配管する露出配管が行われますが、見た目や設計上、露出配管が出来ない場合はエアコンの隠蔽配管を選択することになります。
隠蔽配管を選択する理由は、見た目を重視したい場合や設計上、やむを得ず選択しなければならない場合の2つです。
エアコンの配管が壁にむき出しになるため、見た目が悪くなることや、壁紙や外装色の選択が少ないことが隠蔽配管を選択する理由になります。
エアコンの設置台数が多いほど配管の数が増えるため、余計に気になってしまうでしょう。
家や建物の設計上、壁にエアコンの室内機を設置できない場合は、隠蔽配管を選ばざるを得ない場合があります。
また、高層マンションなどでエアコンの室外機を離れた場所に設置しなければならない場合も、基本的には隠蔽配管になることがほとんどです。
例えば、壁掛けのルームエアコンではなく、店舗や事務所でよくみられる天井埋め込み型のマルチエアコンを設置する場合、エアコン配管を隠蔽配管にすることが多くなります。
一般的に行うエアコンの露出配管とはどういうものでしょうか。
エアコンの露出配管は、配管を壁に隠さないため工事が楽であり、高度な配管施行技術を持たない業者や職人でも施行可能です。
そのため、大型家電量販店での配管工事は、基本的に露出配管となります。
隠蔽配管には、メリットもありますがデメリットの方が大きいため、設置には十分な検討が必要です。
エアコンの隠蔽配管のメリット
エアコンの配管が外壁や室内に出ないので、見た目がスッキリし美観を損ねなくなります。
エアコン設置が難しい部屋への設置が可能となるため、設置場所の自由度が広がります。
エアコンの隠蔽配管デメリット
手間がかかるため設置費用が高いです。
新築工事で建物の壁内に隠蔽する場合は、内装の断熱材施行やボード張りの前にあらかじめ配管を埋め込んでおく必要があります。
配管に問題が起きて故障した場合、特定が困難になります。
また、買い替え時に設置した配管を再利用できるかどうかが重要になります。
配管に問題がある場合や、配管を再利用できない場合は、大掛かりな工事が必要になる場合があります。
新築工事では、断熱性への配慮や配管の保護などが重要になります。
また、配管交換工事では一緒に隠蔽している電気配線や、新しい配管を破損させないように設置しなければなりません。
エアコンの配管を壁の中や天井裏に通すときは、十分な配管ルートの確保が必要になります。
しかし、悪徳業者の中には、配管ルートを確保する施行技術がないため、建物の躯体を損傷させて施行することがあるそうです。
配管を無理やり通すと配管だけでなく、一緒に隠蔽させている他の電気設備の電線や電源コードなども損傷させる恐れがあります。
漏電や設備の動作不良を招くため、高い施行技術を持つ業者を選ぶことが重要です。
壁の中で配管ルートを確保するため、壁内に入っているグラスウールやロックウールなどの断熱材を変形させると、施行不良を招く恐れがあります。
断熱材を押し込んで施工し隙間を埋め戻さない場合、その部分から冷気や熱気が侵入するため、温湿度差で結露がおきやすくなります。
結露が起きるとカビが発生したり、シロアリが繁殖する格好の環境になります。
エアコン工事では、電源コードやドレンホース、冷媒管などの配管類は室内機から室外機まで繋ぎ目のない一本線で配管および配線することが常識です。
長さが足りなくなったからと言って継ぎ足しすることはありえません。
しかし、まれに配管や電源コードを延長する業者もいるそうです。
電線の継ぎ目部分は絶縁不良が起きやすく、漏電の恐れがあります。
また、断熱欠損も絶縁不良を招く要因です。
ドレンホースの継ぎ足し部分から水が漏れると、カビの発生や構造材の耐久性低下を招くうえ、漏電の原因にもなります。
漏電は火災の原因になるため、施工時には信頼のおける業者を選びましょう。