エアコンの除湿機能とは
更新日:2025年05月20日 ご家庭向け
夏場に欠かすことのできない存在のエアコンですが、使っていると気温が極端に高くないとき、運転を冷房と除湿のどちらを使うべきか悩むことがあるかもしれません。
ではエアコンの除湿機能とは具体的にはどのような機能なのでしょうか。
この除湿機能というのは、一言でいえば部屋の空気中の湿度を下げる、という機能のことをいいます。
部屋でエアコンを除湿運転モードにすると、湿度の高い空気を取り込み、熱交換器で熱を奪い取り込んだ空気を冷やすことで、水分が水滴として熱交換器に出てきます。
その水滴を集めて部屋の外に排出することで、部屋の空気中の水分を取り除くことができ、取り除いたサラサラの乾燥した空気を部屋中に送り出しています。
エアコンの除湿機能には、弱冷房除湿と再熱除湿の2種類があります。
どちらも湿度を下げる機能ですがどのような違いがあるのでしょうか。
弱冷房除湿
一般的なエアコンの除湿機能は、弱冷房除湿になります。
取り込んだ部屋の中の空気の水分を奪い、その空気を部屋に戻すことで除湿を行います。
温度が下がった空気を送り出すので、室温も下がりやすくなりますが、時期によっては肌寒く感じてしまう事もありますので、冷えすぎには注意が必要になります。
再熱除湿
再熱除湿とは、除湿して冷えた空気を再び温めてから部屋に戻します。
こうすることで、湿度だけ下がった空気を部屋中に送り出すことができ、室温を下げずに除湿できます。
案外寒さが気になる夏の朝でも、肌寒さを感じることなく除湿することができます。
弱冷房除湿よりも、高機能といえる再熱除湿ですが、空気を暖めなおす分電気代が高くなりやすい点には注意が必要です。
では、除湿と冷房どちらが涼しいのでしょうか。
これは、部屋の温度、湿度によって使い分けることになります。
冷房が有効な場合
真夏の気温が高いような時期で、温度が高く湿度が低いときは、冷房が有効です。
冷房で素早く室温を下げることで、電気代の節約にもなります。
逆に、除湿機能の場合だと温度調節に時間がかかり、涼しさを感じにくかったり余計に電気代がかかる場合もあります。
除湿が有効な場合
梅雨の時期のように、温度が低く湿度が高いときは、除湿が有効です。
また、窓がない、開けにくい部屋は、風通しが悪く湿度も高くなりやすいので、除湿機能を活用するのがおすすめです。
その他でいうと、部屋干しの洗濯物やクローゼットの湿気が気になる場合でも、除湿機能で部屋に籠ったジメジメした空気も入れ替えることができます。
もし、両方とも高いときは、除湿と冷房の両方を試してみて、自分の体感温度でどちらがいいか決めれば良いでしょう。
除湿と冷房の電気代は、どちらが安いでしょうか。
これは、室温の環境、設定温度によって変わってきますので、一概にどちらが安いのかとは言うことが出来ません。
エアコンの機能としては、設定温度で28度・湿度50%の場合は、除湿よりも冷房の方が電力を消費するような設計となっています。
少しでも電気代を抑えて快適に過ごすためには、エアコンの使い方や工夫をすることが大切になってきます。
エアコンが効いてきたり、寒さを感じたら電源をオフにし、しばらくして再び電源をオンにする方は案外多いと思います。
しかし、エアコンの使用で一番かかるのが、電源を入れてから設定温度に到達するまでの間なのです。
逆に、設定温度まで調整された後は、その温度を維持するだけなので、消費する電力は少ないのです。
エアコンが効いてきてすぐに電源をオフにしてしまうと、必要以上に電気代がかかる場合があります。
エアコン稼働中は室外機から風が出ています。
これは、部屋の空気から奪った熱を外に放出しているためです。
しかし、室外機の周囲に物が置かれていたり、真正面のスペースがほとんどないような環境の場合、エアコンの冷暖房効率が大きく下げることもあります。
扇風機やサーキュレータを活用することで、室内の空気が循環しエアコンの効果を高めることができます。
設定温度を上げ下げすることもなくなるため、節電にもつながりやすくなります。
除湿機能を使っているときに、除湿が効きにくいと感じることがあるかもしれません。
そのようなときには、どのように対処すれば除湿機能が高まるのでしょうか。
まずは、エアコンの機能をしっかり発揮できるよう、エアコンの設定温度を下げてみてください。
エアコンの設定温度より外気温の方が低いと、冷房運転そのものが働かない状態になってしまいます。
そうなると、除湿もできなくなってしまうので、除湿をしっかりしたい場合、まず設定温度を下げてみましょう。
次に必要なのが、エアコンのフィルターを掃除することです。
エアコンのフィルターが汚れていると、空気の吸い込み効率が悪化してしまい、エアコン本来の性能が発揮できなくなってしまいます。
そうなると、除湿機能も十分に機能しなくなりますので、定期的にフィルターを掃除することが除湿機能を悪化させないためにも重要なのです。
さらに、部屋に隙間が開いていても、除湿の効率がわるくなります。
部屋に隙間があると、せっかくエアコンで冷やした空気が部屋の外へ逃げてしまい、部屋の気温が下がらなくなってしまいます。
その結果、除湿機能の効きも悪くなりますから、そうならないよう部屋の隙間を確認して埋めておくことも重要です。