私たちにできる「ほんの少しの協力」
更新日:2025年05月11日
先日のOJT研修に向かっていたところ、消防ポンプ車と救急車が緊急走行で交差点内に進入していましたが、なかなか交差点を通過できずにおりました。先を見ると朝の渋滞で交差点内を右折する車で緊急車両がなかなか通過できない状態でした。
私も消防職員の頃、ポンプ車、救助工作車、救急車等の機関員(運転手)として出動した経験があります。緊急車両の接近に気づいて早めに車を左に寄せて止まってくれる車がほとんどですが、直前までなかなか避けてくれない車や逃げるようにスピードを上げる車など様々です。
サイレンを鳴らしながら走る救急車や消防車を見かけたとき、私たちに求められているのは、たった一つの行動です。
それは、「道をゆずること」。
その一瞬の判断と行動が、人の命を救う大きな助けになります。
【なぜ道を譲る必要があるの?】
緊急車両は、火災や事故、急病など、一刻を争う現場に向かっています。到着が1分遅れることで、助かる命が助からないこともあります。
緊急車両が近づいてきたときの対処法は、「道路交通法 第四十条」によって義務付けられています。
基本的に緊急車両が近づいてきたら、車は交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止しなければなりません。(一方通行など左側に寄るとかえって邪魔になる場合は右側。)
私たちが車を端に寄せたり、信号前で停止したりするだけで、その「1分」を短縮できるのです。
【具体的な対応方法】
1 交差点の手前では進入しない
赤信号でも緊急車両が通過できるよう、交差点に入らずに止まりましょう。
2 道の左側に寄って停車
狭い道では、進行方向の左に車を寄せて停車すると通りやすくなります。
3 後方から接近してきた場合
ミラーで確認し、安全な場所で道を譲りましょう。
4 歩行者や自転車も注意を
断歩道にいる場合、緊急車両が通るまでは渡らないなど、周囲の状況に注意を。
【小さな配慮が、大きな支援に】
私たちがすることは「数十秒止まる」だけかもしれません。でもその数十秒が、現場の隊員にはとても大きな意味を持ち、命を救うこともあります。
私たち一人ひとりの行動が、誰かの命を救う手助けになる。
そんな意識を、日常の運転や歩行の中でも、ぜひ持ち続けていきたいものです。