読了本_博士の愛した数式 小川洋子
更新日:2025年05月06日 その他コラム
現在研修中、2025年6月8日開業予定
おそうじ革命埼玉戸田公園店の上笹です
読書が趣味の一つですので、
直近の読了本の感想をネタバレ無しの範囲で感想をブログに載せさせていただきます
事故で脳に障害を持ち、記憶が80分しか持たない数学者「博士」
家政婦と、その息子が数字を通じて友情を育みます
友情という一言で表現するのは少し違いました
解説にありますように
博士の人間性を知り、数学の美しさに触れるうちに
家政婦の心に芽生えた
恋愛とも友情とも違う、家族愛とも敬愛とも少し違う
博士へのほのかな慕情を感じ取れる作品です
数式とか、数学が、苦手な私でも
博士の博識な知識を読むたびに数学への興味をそそり楽しくなってきます
特に「0」のお話は、ほんとに興味を持ちました
無を数字で表現し、非存在を存在とさせた
たしかに、「0」の発明は、凄い発明だなと実感
この小説、家政婦の私、息子のルート、博士、義理の姉と
それぞれの名前が1人も出てこないのが、また不思議な感覚で面白いです
語り手は家政婦で、博士の心情が書かれてはいませんので
想像の域となりますが、3人で過ごす時間を博士は決して忘れたくない。と
いつも思っていただろうなと思うと悲しい気持ちにもなります
ラストも秀逸
成長したルートと過ごす博士を見て
博士幸せに長生き出来てよかったと、ほっこりして読み終えることができます