界面活性剤
更新日:2025年10月15日 ご家庭向け
私たちの身の回りには、様々な洗剤があふれていますが、そこに含まれるのが界面活性剤です。
具体的にどのような作用があり、なぜ洗剤に含まれているのでしょうか。
界面活性剤は、多くの洗剤や化粧品に含まれている成分です。
マヨネーズやドレッシングに含まれる乳化剤も、界面活性剤と同じ成分を表しています。
界面活性剤とは、2つの異なる性質を持つ物質の間に存在する界面に作用し、お互いに混ざりやすくする成分です。
例えば油は水に溶けません。
ぐるぐるとかき混ぜ、一時的に混ざり合ったように見えても時間が経てばまた分離してしまうでしょう。
ここに界面活性剤をプラスすれば、その作用により水と油が混ざり合うようになります。
これは界面活性剤中に、水に作用する部分と油に作用する部分の両方が含まれているためです。
この性質を利用すれば、衣類に染み込んだ油性の汚れも水に溶かして落とせるようになります。
界面活性剤には、水をしみ込みやすくする浸透作用や水中に汚れをちりばめる分散作用、再度布を入れても汚れが付きにくい再付着防止作用といった性質もあります。
これらの性質を総合的に利用して、様々な洗剤が作られています。
界面活性剤には、動物性や植物性の油脂から作られるものと、石油から作られるものがあります。
天然油脂や脂肪酸から作られるのがせっけんです。
石油の他、動物性、植物性の油脂から化学的に作られるのが合成界面活性剤であり、合成洗剤の原料として使われています。
界面活性剤を皮膚に使うのは不安と感じる方は多いですが、これは主に合成洗剤を対象としたものです。
少量でも強力に作用するのが合成洗剤の特徴です。
すすぎ残しが起こりやすいというでまりっとがあります。
すすぎ残しにより界面活性剤が直接肌に触れると、皮膚の表面の膜にまで作用するおそれがあります。
この膜は、人体に有害な物質が入り込まないようにする役割を担っているものです。
界面活性剤の効果により、本来馴染まないはずの物質が肌に残りやすくなるリスクがあります。
衣類用の洗剤に食器用洗剤、トイレやお風呂のクリーナーなど、洗剤の種類は多種多様です。
またそれぞれに液体、粉末、固形など様々なタイプが存在しています。
高い洗浄力を求めるなら、直鎖アルキルベンゼン系のアルキルベンゼンスルホン酸塩を使った洗濯洗剤を選ぶのがおすすめです。
漂白剤が含まれていればシミ汚れもスッキリ綺麗に出来るでしょう。
蛍光増泊剤を使えば、白い衣類をより白くしてくれますが、色柄物への使用には注意が必要です。
洗剤は、pH値によって酸性、中性、アルカリ性の3つに分類されます。
種類によって特異な汚れや洗浄力が異なります。
衣類や手肌に負担をかけにくいのは、中性洗剤です。
デリケートな衣類用洗剤や台所用洗剤に多くみられます。
アルカリ性洗剤は、汚れを分解する力が強いという特徴があります。
頑固な汚れに効果的にアプローチしたい場面で使用しましょう。
酸性の洗剤は、水垢や尿石、皮脂汚れといったアルカリ性の汚れに強い点が特徴的です。
トイレやバスルームなど、水回りで活躍します。
衣料用洗剤を選ぶ際には、洗剤の形状にも注目してみてください。
粉末、液体、ジェルボールの3つのタイプがあり、それぞれで異なる性質を持っています。
粉末洗剤は、頑固な汚れに強くコストパフォーマンスにも優れています。
液体洗剤は、粉末よりも洗浄力で劣るものの、デリケートな衣類にも対応しやすいでしょう。
時短や節水効果をも込めるなどバランスの良さが魅力です。
ジェルボールタイプは、1回あたりの価格が高めですが洗剤を計量する手間が省けます。
自分自身が何を重視したいのか、成分やpH値と合わせて各内意してみてください。