中古一戸建てを賃貸にする前に！プロに頼むべきハウスクリーニングのポイント

「賃貸物件の原状回復」
この言葉を聞いて頭を悩ませる大家さんは少なくないのではないでしょうか。
特に、退去時の原状回復費用の精算は、賃貸管理において係争となりやすい部分でもあります。

また、中古一戸建てを賃貸として運用する際も、入居者を迎える前の適切な清掃が、その後の運用を大きく左右します。
原状回復清掃が甘いと、入居者からのクレームに発展したり、入居期間が短くなる要因にもなりかねません。 

本記事では、賃貸物件管理の現場で実際に起きている原状回復に関するクレーム事例と、中古一戸建ての賃貸運用前に必要な清掃のポイントについて、具体的にご紹介していきます。 

これから賃貸運用を始める方はもちろん、すでに運用されている大家さんにとっても、有益な情報となるはずです。ぜひ最後までお読みください。

賃貸物件では、前の住人が退去した後、新たな入居者にお部屋を引き渡す前に原状回復という作業をします。
この原状回復は、前の入居者の生活によって発生した汚れや破損、摩耗などの劣化を補修し、部屋を元あった状態に回復する作業を指します。

原状回復にはさまざまな作業が含まれ、退去後の空室をハウスクリーニングするのも原状回復の一部とされています。
そんな原状回復クリーニングが甘いと、前の入居者が付けた汚れがお部屋に残るため、新しい入居者からすると非常に不快です。
そのため、不動産業界では、原状回復クリーニングをめぐって、しばしばクレームが発生します。 

原状回復クリーニングが甘いと、新しい入居者は、どんな点で不快感を覚えるのでしょうか？
この章では、入居後にクレームが発生しやすいポイントについて解説していきます。

水回りの清掃が甘いと、高確率でクレームになります。
水回りは、料理やお風呂など、人の健康に関わる部分です。
水回りが汚いと、人は本能的に「不衛生」という印象を抱いてしまいます。 

【よくあるクレームの例】

• キッチンのシンクや排水口にぬめりや悪臭が残っている
• 浴室の天井や目地に黒カビが発生している
• トイレの便座やウォシュレットのノズルに汚れが付着している

エアコンや換気扇は、室内の空気を空調したり、循環させるための重要な設備です。
これらの部分が汚れていると、お部屋の空気が臭くなったり、空気がこもるようになってしまうため、クレームに発展しやすくなります。

【よくあるクレームの例】

• エアコンをつけた途端、カビ臭やホコリ臭がする
• エアコンからホコリが落ちてくる
• 換気扇の動作音がうるさい
• レンジフードの油汚れがひどく、動作不良を起こす

床やカーペットも、人が素足で歩いたり、座ったり寝転んだりする場所です。
ここが不衛生だと、人は本能的に不快感を覚えます。
また、壁紙はハウスクリーニングで見落とされがちな場所ですが、結構ホコリがついているものです。
これらのホコリに入居者が気づくと、高確率でクレームになります。

【よくあるクレームの例】

• フローリングの隅にホコリや髪の毛が溜まっている
• カーペットにシミやダニが発生している
• 壁紙の黄ばみやタバコの臭いが残っている
• 壁紙にホコリがついている

窓やサッシ、ベランダが汚れている、というのもクレームに発展しやすい事例です。

【よくあるクレームの例】

• 窓ガラスに指紋や水垢が残っていて見た目が悪い
• サッシの溝にホコリやカビが溜まっている
• ベランダに落ち葉や虫の死骸が放置されている

靴箱の中は、光が届きにくく、中に残った砂塵や汚れを見落としがちです。
しかし、こうした汚れは手で触ると一発でわかってしまいます。
新たな入居者が靴を収納する際に、靴箱の中が砂でザラザラしているのに気づき、クレームになる、というパターンが非常に多く見受けられます。

【よくあるクレームの例】

• 靴箱を開けたらカビ臭がする
• 靴箱の中がザラザラする
• 玄関の隅に砂やホコリが溜まっている
• ドアの取っ手や鍵回りが汚れている

賃貸物件を清潔に保ち、入居者からのクレームを防ぐためには、プロのハウスクリーニングを活用するのが一番効果的です。

ただし、業者によって掃除のクオリティは千差万別です。
作業が甘いとクレームに発展するおそれがありますので、作業後にしっかりチェックをし、清掃が甘い部分は再作業をしてもらうなどして対応しましょう。 

この章では、中古の一戸建てを賃貸に出す前に、プロに掃除を頼んでおきたいポイントと、立ち会いの際にチェックをしておきたいポイントについて解説していきます。

水回りは、汚れが溜まりやすく、放置するとキレイにするのが大変になる場所です。
キッチン・浴室・トイレは特にカビや水垢ができやすく、臭いの原因にもなります。
また、レンジフードやコンロは、市販の道具や洗剤では落とすのが難しいようなしつこい油汚れや焦げ付きが発生します。
水回りには、素人掃除ではなかなかキレイにできないような汚れがたくさん発生しますので、プロの技術できれいにしてもらうのがベストです。

【清掃後にチェックしたいポイント】

• シンクや排水口から嫌な臭いがしないか
• 浴室鏡のウロコ汚れが落ちているか
• 蛇口などの金属製品がしっかり磨かれているか
• トイレの便器の裏側についた汚れが取れているか
• 各種換気扇のホコリが除去されているか

床や壁は、玄関を開けた瞬間に目に飛び込んでくる箇所です。
そのため、入居者の第一印象を大きく左右します。
フローリングはホコリや皮脂汚れが溜まりやすく、カーペットにはシミや臭いが残りがちです。また、壁紙に手垢やタバコのヤニが付着していると、部屋全体がくすんで見えることもあります。
天井は普段あまり目が行かないですが、意外とホコリやカビが溜まっているため、きちんと清掃することが大切です。

【清掃後にチェックしたいポイント】

• フローリングに黒ずみやベタつきが残っていないか
• ワックスにかすれやムラがないか
• カーペットにシミや嫌な臭いが残っていないか
• 壁紙のホコリがしっかり取り除かれているか

エアコンや換気扇は、ホコリやカビが溜まりやすく、放置すると異臭やアレルギーの原因になります。
特にエアコン内部にカビが発生していると、運転するたびに部屋中に菌が広がってしまうため、定期的なクリーニングが必要です。
また、窓ガラスやサッシは汚れが目立ちやすく、ここが汚れていると全体の印象が悪くなってしまいます。

【清掃後にチェックしたいポイント】

• エアコンをつけた時にカビ臭くないか
• エアコンのフィルターが汚れていないか
• 熱交換器にホコリが詰まっていないか（詰まっている場合は別料金で高圧洗浄をしてもらいましょう）
• 換気扇に汚れが詰まり吸い込みが悪くっていないか
• 窓がくもっていないか
• サッシに砂塵やカビがついていないか

賃貸物件の清掃をしっかり行うことで、入居希望者の印象が良くなり、成約率が高まる可能性があります。
特に水回りや床・壁・天井、エアコン・換気扇・窓ガラスは、素人では落としにくい汚れが多いため、プロのハウスクリーニングを利用するのが効果的です。

中古物件の価値を目減りさせるのは、経年による劣化や、「誰かが使った」という事実です。
これらのマイナス要素を打ち消し、購入希望者に価値を感じてもらうには、物件を可能な限り美しく見せることが非常に重要となります。

古い物件であっても、「手入れがしっかりされててキレイ」、「メンテナンスがしっかりされているから、古さが逆に味わいになってる」と思ってもらえれば、築年数が逆に強みとなることもあります。 

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