フローリングに施工するコーティングとワックスの違いを徹底比較
更新日:2025年12月10日 床・フロアクリーニング
新築やリフォームで手に入れた、真新しいフローリング。
その輝きを前に「この美しい状態をできるだけ長く保ちたい」と誰もが願うはずです。
そのための選択肢として「コーティング」と「ワックス」がありますが、その違いを正確に理解している方は少ないかもしれません。
「コーティングの方が長持ちすると聞くけど、費用が高いのでは?」
「ワックスの手軽さも魅力だけど、本当に床を守れるの?」
「光沢の見た目や、ペットが滑らないかなど、実際の使い心地はどう違うのだろう?」など、
大切な住まいだからこそ、考えれば考えるほど疑問は深まっていくものです。
この記事では、そうした一つ一つの疑問に丁寧にお答えします。
「フローリングのコーティングとワックスの違いとは何か」という根本的な比較から、コーティングの必要性、具体的な効果やメリット、施工費用、そしてプロの専門業者へ依頼すべき理由まで、専門的な視点から網羅的に解説していきます。
あなたの住まいにとって後悔のない、最良の選択をするための一助となりますので、ぜひ参考にして下さい。
- 具体的な数値で比べるコーティングとワックスの決定的違い
- なぜフローリングコーティングが長期的に見て必要不可欠なのか
- コーティングをしなかった場合にフローリングに起こりうること
- DIYではなくプロの業者に依頼するべき納得の理由と費用の目安
専門家が解説!フローリングのコーティングとワックスの違い
フローリングを美しく長持ちさせるためのコーティングとワックスですが、この二つは目的や特性が大きく異なります。
その違いを正確に理解することが、後悔しない選択への第一歩です。
ここでは、基本的な違いからコーティングが推奨される理由、その効果、そして施工しなかった場合のリスクまでを掘り下げていきます。
そもそもフローリングのコーティングとワックスの違いとは?
フローリングの保護方法であるコーティングとワックスは、名前こそ似ていますが性質は全く異なります。
具体的な数値で比較すると、その違いは明らかです。
ワックスの特性と限界
ワックスの目的は、床表面にロウを主成分とする膜を作り、一時的なツヤ出しと簡易保護を行うことです。
しかし被膜は非常に柔らかく、耐久期間は3ヶ月~1年程度と短命です。
被膜の硬さを示す鉛筆硬度ではBにも満たないものがほとんどで、日常生活の摩擦ですぐに剥がれてしまいます。
また、塗り重ねるうちに古いワックス層が汚れを抱き込み、黒ずみの原因になることもあるため、定期的な塗り直しが欠かせません。
コーティングの特性と耐久性
一方、コーティングはフローリング表面に硬質な保護被膜を形成します。
主成分はシリコンやガラス等の合成樹脂で、一度硬化すると非常に強固な層が作られます。
被膜の硬度は、ガラスコーティングで鉛筆硬度4H~6H、最高品質のUVコーティングでは9H以上に達するものもあります。
これはカッターナイフでも簡単には傷がつかないレベルです。
そのため耐久年数も飛躍的に長く、UVコーティングでは20年以上の効果持続が期待できます。
大手フロアコーティング専門会社のサイトでも、UVコーティングは30年以上の耐久性があると記載されており、一度の施工で長期的な安心が得られます。
機能面でも差は歴然で、ワックスが水分に弱い一方、コーティングは高い耐水性・耐薬品性を持ち、衛生管理が非常に容易です。
これらの点から、ワックスは「短期的な美観維持」、コーティングは「長期的な床材の物理的保護」と、根本的な役割が違うことが明確になります。
なぜフローリングにコーティングが必要か、その理由とは?
「きれいなフローリングに、なぜわざわざコーティングが必要なのか」と疑問に思うかもしれません。
しかし、それには日本の住環境とフローリング材の特性に基づいた明確な理由があります。
フローリングは木質材料のため、湿度変化による伸縮が避けられません。
日本は夏と冬の湿度差が大きく、この変化を木材が吸収・放出することで、床材の反りや隙間、ひび割れといった劣化が進行します。
特に窓際やキッチン周りなど、結露や水分の影響を受けやすい場所では、劣化の進行が早まる傾向にあります。
厚生労働省も、製品性能の維持に室内湿度管理の重要性を説いており、木質フローリングのデリケートさがうかがえます。
コーティングを施工すると、フローリング表面に水や湿気を通しにくい緻密な保護被膜が形成されます。
これが強力なバリアとなり、床材が外部の湿度の影響を受けるのを大幅に抑制し、伸縮による劣化を防ぐのです。
また、窓から差し込む紫外線は、フローリングの色褪せや日焼けの主な原因です。
UVカット機能を持つコーティング剤は、フローリングが直接紫外線を浴びるのを防ぎ、長期間にわたって木材本来の美しい色合いを守ります。
このようにコーティングは、フローリングを様々な劣化要因から守り、その寿命を延ばすために重要な役割を担っているのです。
出典
厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」コーティングの具体的な効果とメリット
フローリングコーティングを施工すると、日々の生活をより快適で安全なものに変える、多くのメリットが得られます。
まず、掃除やお手入れが格段に楽になります。
コーティングされた床は汚れが固着しにくく、耐水性・耐薬品性にも優れるため、油汚れや食べこぼしも簡単に拭き取ることが可能です。
これにより、強力な化学洗剤を使う必要性が減り、床材にも優しく、室内の空気環境にとっても良い影響が期待できます。
次に、安全性と快適性の向上も大きなメリットです。
多くのコーティング剤は、滑り抵抗係数(C.S.R値)がJISの定める安全基準をクリアしています。
ある専門会社のデータでは、未施工の床に比べコーティング後の床は滑りにくさが向上し、お子様や高齢者、ペットの転倒リスクを大幅に軽減できると報告されています。
さらに、SIAA(抗菌製品技術協議会)の認証を受けたコーティング剤は、表面に付着した特定の細菌の増殖を99.9%以上抑制する効果が証明されています。
床の溝にホコリが溜まりにくくなる効果と合わせ、アレルギーをお持ちのご家族がいる家庭にとっても、衛生的な環境を維持しやすくなるでしょう。
これらの理由から、コーティングは単に床を保護するだけではありません。
掃除の時短、家族の安全確保、衛生環境の向上といった、生活の質そのものを向上させる価値のある投資なのです。
コーティングをしないとどうなるのか知っておこう
では逆に、コーティングをしないままだと、どのようなことが起こるのでしょうか。
そのリスクを知ることで、コーティングの必要性がより明確になります。
保護されていないフローリングは、日常生活の些細なことで簡単に傷がつきます。
JIS規格の耐傷性試験において、一般的なシートフローリングの表面硬度は鉛筆硬度で2H~3H程度しかありません。
これは、ダイニングの椅子を引いただけで細かい傷がつき、キャスター付きの家具を動かせばその跡がくっきりと残ってしまうレベルです。
ペットの爪による無数のひっかき傷は、床全体の光沢を失わせる原因にもなります。
一度ついた深い傷は修復が困難で、そこから水分や汚れが浸透し、さらなる劣化を招きます。
また、水分によるダメージも深刻です。
キッチンやペットの粗相などでこぼれた水分は、すぐに拭き取らないと木材に染み込み、黒ずみやシミ、床材の反りの原因になります。
フロアコーティング専門会社のサイトでも、「フローリングの劣化原因の多くは、日常生活での傷や水分、薬品によるダメージ」と指摘されています。
コーティングをしないということは、これらの劣化要因に対してフローリングが無防備な状態にあることを意味します。
これらのダメージが蓄積すると、フローリングの美観は損なわれます。
初期投資を惜しむ選択は、将来的に高額な補修費用や張り替え費用として、より大きな出費に繋がる可能性があるのです。
施工にかかる費用とメンテナンスの頻度
コーティングを検討する上で、費用とメンテナンスは重要な要素です。
これらはコーティングの種類によって大きく異なります。
コーティングの種類別費用相場
コーティング費用の㎡単価の相場は以下の通りです。
- シリコンコーティング
1㎡あたり約2,000円~3,500円(耐久性:5年~10年) - ガラスコーティング
1㎡あたり約3,000円~5,000円(耐久性:10年~20年) - UVコーティング
1㎡あたり約4,000円~6,500円(耐久性:20年~30年以上)
例えば、一般的なリビングダイニング(約30㎡)にガラスコーティングを施工する場合、9万円~15万円程度が目安となります。
UVコーティングが最も高価なのは、専用の紫外線照射機といった特殊な機材が必要であり、施工後すぐに入居できるという付加価値も価格に反映されているためです。
メンテナンスの頻度と長期的なコスト
メンテナンスの頻度は、ワックスとは比較になりません。
ワックスが数ヶ月~1年ごとの塗り直しを必要とするのに対し、コーティングは一度施工すれば耐久年数の間は特別なメンテナンスは不要です。
日常のお手入れは、掃除機がけと固く絞った雑巾での水拭きで十分です。
したがって、初期費用はワックスより高額ですが、10年、20年という長期的な視点で見ると、塗り直しの手間やコストがかからないコーティングの方が、トータルでのコストパフォーマンスに優れているケースがほとんどです。
効果的にフローリングのコーティング作業を行うには、プロの業者に依頼して、専門的なサービスを受けることが推奨されます。プロの持つ専門的な知識と経験値で、確実にフローリングをコーティングしてくれます。
「おそうじ革命」では、上に紹介したフローリングのコーティングサービスを全都道府県で行っており、専門知識を持つ、経験値の高いスタッフを揃えています。
様々なお客様から依頼をいただいており、フローリング以外にも清掃に関する技術と経験・お客様満足度は清掃業界内でも随一という自負を持っています。
常に適正なお見積もりを心掛けていますので、新たにフローリングをコーティングを考えている方は、ぜひ一度ご相談下さい。
フローリングのコーティングとワックス、その違いと施工方法

コーティングの必要性を理解したところで、次に考えるべきは「どのように施工するか」です。
性能を最大限に引き出すには、適切な施工が不可欠です。
ここでは、専門業者の作業内容からDIYの注意点、そしてプロに任せるべき理由を解説します。
専門業者が行う作業内容と工程
プロのコーティングは、単に液剤を塗るだけの作業ではありません。品質を決定づけるのは、施工前の丁寧な下地処理です。
1. 精密な養生と床面状況の確認
まず、コーティング剤が壁などに付着しないよう、ミリ単位の精度でマスキングを行います。
同時に床の状態を詳細に確認し、最適な施工方法を判断します。
2. 専用機材による徹底的なクリーニング
次に、専用のポリッシャー等でフローリング表面や溝の皮脂汚れ、油分、微細なゴミを徹底的に洗浄します。
新築の床でも、素足で歩いた際の目に見えない皮脂などが付着しており、これが密着不良の原因となるため、この工程は極めて重要です。
3. 既存ワックスの完全剥離(必要な場合)
中古物件などでワックスが塗られている場合、専用の剥離剤で完全に除去します。
この作業は高度な専門知識を要し、一般の方が行うのは非常に困難です。
4. 適正環境でのコーティング剤塗布
床が完全に乾燥した後、専用のモップで均一な厚さで丁寧に塗り広げます。
プロは、液剤の性能が最も発揮される温度・湿度を管理しながら作業を進めます。
5. 完全硬化
塗布後は、規定時間しっかり乾燥させます。
UVコーティングの場合は専用の紫外線照射機で瞬時に硬化させるため、施工後すぐの歩行が可能です。
このように、専門業者は見えない下地処理に多くの時間を費やします。
この妥協のない工程こそが、美しく長持ちするコーティングの秘訣なのです。
自分でやる方法とその注意点
近年ではDIY用のコーティングキットも販売されていますが、費用を抑える魅力の裏には、多くの失敗リスクが潜んでいます。
DIYでは、プロが行うような徹底した下地処理はほぼ不可能です。
特に、古いワックスの完全な剥離や目に見えない油分の除去は、専用機材なしでは困難を極めます。
ある住宅情報サイトのアンケートでは、DIY経験者の6割以上が「仕上がりに満足できなかった」と回答しており、その理由は主に「塗りムラ」と「ホコリの混入」でした。
部屋の隅や巾木との境界部分をきれいに仕上げるのも難しく、細部の粗さが目立ってしまうことも少なくありません。
一度硬化してしまったコーティングのムラやゴミは取り除けず、修正しようとすればフローリング自体を傷つけかねません。
結局、修正のために専門業者に高額な費用を払うことになり、「最初から頼めばよかった」と後悔するケースが後を絶ちません。
失敗した場合の損失を考慮すると、DIYはリスクの大きい選択肢と言えるでしょう。
安心できるプロの作業に任せるべき
DIYのリスクに対し、プロの専門業者に依頼することには、仕上がりの美しさ以外にも多くのメリットがあります。
第一に、専門知識と豊富な経験です。プロは年間数百件という現場を経験し、フローリング材や状態に応じて最適なコーティング剤を選択するノウハウを持っています。
第二に、使用する道具や液剤の品質です。
専門業者が使用するコーティング剤は、市販品とは成分や耐久性が全く異なります。
下地処理に使うポリッシャーやUVコーティングの紫外線照射機など、高品質な施工のための専用機材も完備しています。
そして最大のメリットが「施工後の長期保証」です。
多くの専門業者は、施工後に5年~30年といった長期の保証書を発行します。
これは自社の技術と品質に自信がある証です。
万が一の不具合に無償で対応してもらえるという保証は、これから何十年も続く暮らしの大きな安心感に繋がります。
DIYにはないこの安心感こそ、プロに依頼する最大の価値かもしれません。
確実なのは専門業者への依頼です
コーティングを成功させるには、信頼できる専門業者を選ぶことが最も重要です。
後悔しない業者選びのポイントを解説します。
まず、その業者の施工実績を確認しましょう。
企業のウェブサイトで施工写真や具体的な件数を見ることができます。
年間1,000件以上の実績があるような業者は、安定した品質が期待できます。
次に、使用するコーティング剤の性能について、具体的な数値データを提示してもらいましょう。
信頼できる業者は、「鉛筆硬度9H以上」など、第三者機関による試験結果に基づいた客観的なデータを示してくれます。
また、保証内容の詳細を確認することも不可欠です。
保証期間だけでなく、「どのような場合に保証が適用されるのか」といった具体的な条件を、契約前に書面で明確にしてもらうことが大切です。
最終的に依頼先を決める際は、提案内容や見積もりにしっかりと目を通し、検討する手間が求められます。
その際、単に価格の安さだけで判断するのではなく、下地処理の工程や使用する液剤の種類など、サービス内容全体を吟味して、ご自身が納得できる業者を選ぶと良いでしょう。
フローリングに施工するコーティングとワックスの違いを徹底比較の総括
この記事では、フローリングのコーティングとワックスの違いから、コーティングの必要性、そして専門業者に依頼するべき理由までを、具体的な数値や出典を交えて詳しく解説してきました。
最後に、今回の重要なポイントを改めてまとめます。
- ワックスはロウを主成分とし、耐久期間は3ヶ月~1年程度である
- コーティングは樹脂被膜で、耐久年数は5年~30年以上と長期間である
- 被膜の硬度はワックスがB未満に対し、UVコーティングは9H以上に達する
- コーティングは耐水性・耐薬品性に優れ、アルコール除菌も可能である
- フローリングは湿度変化で伸縮するため、保護被膜による抑制が効果的である
- UVカット機能は、紫外線によるフローリングの色褪せや日焼けを防ぐ
- 滑り抵抗係数(C.S.R値)が向上し、家庭内の転倒事故リスクを軽減する
- SIAA認証のコーティングは、細菌の増殖を99.9%以上抑制する効果がある
- コーティングをしないと、JIS規格で2H程度の硬さの床に傷が付きやすい
- プロの施工は、品質の8割を決めるとされる「下地処理」を徹底する
- DIYは塗りムラやホコリ混入のリスクが高く、約6割が仕上がりに不満を持つ
- 専門業者は市販品と異なる、高性能な業務用の液剤と機材を使用する
- 信頼できる業者は、施工後に5年以上の長期品質保証書を発行する
- 業者選びでは、具体的な施工実績数や客観的な性能データを確認する
- 長期的な視点で見れば、コーティングは補修費用を抑え、資産価値を守る賢明な投資である
まとめ
フローリングを綺麗な良い状態に保ち、効果的にコーティングしたい方にとって、プロの業者に依頼して、専門的なサービスを受けることは検討すべき内容です。
実際に利用されるお客様の視点から考えると、フローリングがピカピカになり、清潔感や安心感が上がる利点は大きいです。
また、フローリングのコーティングをしっかり行うことによって、お客様の満足感にも繋がります。
実際にご家族の大半が過ごされるフローリングに対して、これらのコーティング作業がいかに効果的か、お分かりになったと思われます。
「おそうじ革命」では、上に紹介したフローリングのコーティング全般に関する作業を全都道府県で行っています。
常に適正なお見積もりを心掛けていますので、フローリングのコーティングサービスを希望される方や依頼を考えている方は、ぜひ一度ご相談下さい。